先輩と後輩の恋愛事情
「じゃぁ先輩、私二時間目の授業頑張って来ます!」
「うん、俺も教室戻るよ」
「すいません、長く付き合わせて…」
「いいの、いいの
実梨ちゃんのせいじゃないし。
それに、一緒にいれていろいろ実梨ちゃんのことも知れたしね」
「そうですか。
私も先輩のこと結構知れましたよ?」
「へー、例えば?」
「え〜と、先輩は優しいとかホントはちょっとぬけてるとか本気で怒ったら怖そうとか…」
「ぷっ、最後のいらないよー」
照れながらも笑う先輩は少し可愛く見えた。
「あと先輩、今日の先輩すごくかっこ良かったですよ!」
「……!」
さっきまで笑っていた先輩は途端に驚いたような顔をして、腕で顔を隠しながら顔を斜め下に向けた。
「…先輩?」
私が先輩の顔を覗きこもうとした時、目が合った。
「……実梨ちゃん、さっきの本気?」
「え?
はい…」
そう答えた瞬間先輩はしゃがみこんだ。
「…やべっ…
そう言われるとすっごい嬉しいんだけど、超恥ずかしくなる…///」
下を向いて言う先輩は、多分今凄い顔が真っ赤なんだろうな、と思った。
でも先輩は、『かっこいい』なんて言葉そこら辺にいる女子から毎日言われてそうなのに…。
そんなに恥ずかしいんだ…。
「先輩、かっこいいって言われるの慣れてないんですか?」
「…違うよ…」
違う?
「…実梨ちゃんに言われたから恥ずかしいんだよ…」
えっ、私が言ったから!?
「な、何かすいません!」
頭を下げて謝る。
それを見た先輩は今度は笑いだして。
「ホント実梨ちゃんといると飽きないね!」
と言った
私を見上げで無邪気に笑う先輩は、私より1つ上なのにも関わらず、小さな子供のように見えた。
ドクンッと高鳴る心臓。
…私の、先輩への想いは恋?
それとも憧れてるだけ…?