先輩と後輩の恋愛事情
「あ、実梨!」
「…ただいま…」
「お帰り、大丈夫だった!?」
「うん…」
教室に帰って中に入ると、心配したような顔をした仲の言い女の子が駆け寄って聞いてきた。
「実梨が行った後、塩田先生結構怒ってたけど、怒鳴ったりはせず、静だったの」
「そうなんだ…」
「これも黒木先輩のおかげかな?」
「…だと思うよ」
本当に先輩効果かはわからない。
けど、みんなが先生から八つ当たりされずにすんで良かった…。
「実梨、先生に怒られたって話、隣のクラスとか結構広まっちゃってるよ…?」
「……」
こそっとそれだけ教えて、女の子はどこかへ行ってしまった。
『広まっちゃってるよ…』…
まぁすぐ広まってもおかしくないことだ。
あれほど派手に大声で怒鳴られたのだから。
1階にいた先輩に聞こえていて、隣のクラスの子に聞こえていないはずがない。
ということは、今頃佳の耳にも届いている頃かな…。