先輩と後輩の恋愛事情
あれから二時間目、三時間目と、順調に授業は過ぎていった。
そして放課後…。
「…実梨…」
教室で佳と先輩を待っていると、最初に佳が来た。
「佳…
何だか久しぶりだね…」
「…そうだね…」
「……
え〜と、先輩まだ来てないんだ…」
気まずい…。
1日ほどだけ話してなかっただけで、ずいぶんと懐かしく感じる。
もう放課後だし、そろそろ私もハッキリさせないと…。
そう意気込んだ時、「…来て」と言われ、腕を佳に引っ張られてイスから立ち上がり、教室から出てしまった。
「け、佳!?
どこ行くの!?」
聞いても佳は答えず、ズンズンと進んで行った。
佳に連れられて学校からでて、町の方まで来てしまった。
外はもうほんのり薄暗くなっている。
一向に歩いてばかりで止まろうとしない佳に、私はとうとう頭にきて自分の足をピタッと止めた。
その拍子で佳がピクッと止まる。
私は怒った声で
「佳、どういうこと?
何処に向かおうとしてるの?」
時いた。
今頃先輩は私たちが教室にいないから焦っているだろう…。
佳は腕は放そうとはせず、掴んだまま下を向いて私の方に体を向けた。
そんな佳から一言小さな声で
「…ごめん」
という声が聞こえた。
謝るぐらいなら、何でこんなことをしたのか聞いてみた。