先輩と後輩の恋愛事情
【実梨】
「すー、すー…
……ハッ!」
パチッと目を覚ます。
部屋が暗い…。
…ベッドの上?
私いつの間に自分の家に帰って寝てたんだろ?
う〜んと考えても思い出せない。
最後の記憶は先輩の側で泣ていたことだけ…。
私また情けない姿見せちゃったな〜…。
はぁ、と小さくため息をつく。
「…今何時?」
ふと思い、時計をキョロキョロ見渡した。
いつもなら前の壁に掛けてあるはずなのに…。
見当たらない。
すると机の上で数字だけ光っている電子時計を見つけた。
9時30分。
佳が先輩の家から出たのは…確か8時30分ぐらいだから…。
約1時間ぐらい?
ふーん…。
って、私電子時計なんて持ってたっけ?
気づくのが遅かった。
そうだよ…。
冷静に考えたらここ、私の部屋にしてはシンプルすぎない?
机とイスとベッドとクローゼットぐらいしかない。
私のぬいぐるみは?
制服は?
「………もしかしてここ、私の部屋じゃない?」