先輩と後輩の恋愛事情
【先輩】
はぁ、何で今日委員会で集まんなきゃいけねぇんだ…。
しかも二年生の体育委員だけっておかしいだろ!
「…―って訳なんだが…。
おーい、黒木ちゃんと聞いてるか?」
「聞いてますよ!
続けて下さい!」
「お、おぅ、そうか…」
「せんせ、愁、彼女と一緒に帰れなかったからってイライラしてんですよ」
同じクラスのやつが先生に耳打ちする。
「そうだったのか…。
残念だったな、黒木」
「先生、顔が笑ってるんですけど…」
「えぇ?」
とぼけたようにまた話をし出す。
はぁ。
何気なく窓からふと目を外にやると、下にはちょうど実梨がいた。
…あ〜、一緒に帰りたかったな〜。
せっかく呼びに来てくれたのに…。
机に肘をついてはぁ、とため息を漏らしながら実梨を眺める。
先生の話しなんて全く聞いていなかった。
「実梨ちゃん…」
小さく粒やいた時だった。
実梨に近づく男子を見かけた。
最初は内野宮くんかと思ったけど、そうじゃない。
え、じゃぁ誰?
驚きで目を見開き、二人から目を離すことができなくなっていた。