先輩と後輩の恋愛事情
「…!?」
何で言おうとしたことがわかったの!?
みたいな顔をして驚いている。
「そんな顔して言う言葉です。
いい話のはずがありません」
「……」
言いきってみたものの、あれは感だった。
きっとあのまま聞いていたら先輩は「別れよう」とか言うんじゃないかと思った。
「…ホント、実梨ちゃんにはビックリさせられるし、やっぱり一緒にいると飽きそうにないね」
先輩はハハハと苦笑い的なものをした後
「実梨ちゃんの笑顔が守れるなら、別れようって思ってたんだけど、君が別れたくないって言うんだったら別れないよ」
はにかんだような、いつもの優しい笑顔を向けてくれた。
「先輩…」
両肩を掴まれて、ゆっくりと先輩の顔が近づいてくる。
私は軽くキュッと目をつぶった。
そして、先輩の唇が私の唇と重なる…。
先輩との初めてのキス。
キスはレモン味とか、イチゴ味とかいうけど、本当かもしれない。
すごく甘酸っぱかった…。