強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
ブォン!
夜の街を走る白い車。その車内に百合香はいた。
前に1度、ここに座ったことはあるけれど、今は全くその時と違ったように景色が走る。
ちらりと右隣を見ると、運転に真剣な柳瀬。
そんな横顔がまたかっこよくて、百合香は頬を赤く染めてしまう。
「そんなにみられたら、穴が開きそうだ」
不意に柳瀬が百合香を見てそう言った。
慌てて自分の足もとに視線を落とす私に、
「運転中以外は俺が同じように見てるけど」
なんて言うもんだからもう柳瀬を見ることができなくなった。
自宅まで、本当にすぐだ。
百合香は自分が現金な女で、前はすぐにでも離れたかったのに今は、少しでも傍にいたい。離れたくない。そんな風に思っていた。
そんな想いはやっぱり顔に出てしまっているようで、柳瀬が百合香にデコピンをした。
「送り狼にさせたくなかったら、そういう顔をするな」
「うぅ…」
「それとも、そうさせたいの?」
「!!!!」
(きっと私は顔が真っ赤。そんなことを考えていた訳じゃない。離れるのがいやだな、とは思っていたけれど。
でもそんな風に言われたら、帰るしかなくなっちゃう。)
百合香は車から降りて、助手席の扉を閉めた。
「ありがとうございました」
「今度はどこかゆっくり行こう」
そして柳瀬の車はあっという間に小さくなってしまった。
『今度はどこかゆっくり行こう』
百合香はその言葉を何度も反芻しながら部屋についた。
ブォン!
夜の街を走る白い車。その車内に百合香はいた。
前に1度、ここに座ったことはあるけれど、今は全くその時と違ったように景色が走る。
ちらりと右隣を見ると、運転に真剣な柳瀬。
そんな横顔がまたかっこよくて、百合香は頬を赤く染めてしまう。
「そんなにみられたら、穴が開きそうだ」
不意に柳瀬が百合香を見てそう言った。
慌てて自分の足もとに視線を落とす私に、
「運転中以外は俺が同じように見てるけど」
なんて言うもんだからもう柳瀬を見ることができなくなった。
自宅まで、本当にすぐだ。
百合香は自分が現金な女で、前はすぐにでも離れたかったのに今は、少しでも傍にいたい。離れたくない。そんな風に思っていた。
そんな想いはやっぱり顔に出てしまっているようで、柳瀬が百合香にデコピンをした。
「送り狼にさせたくなかったら、そういう顔をするな」
「うぅ…」
「それとも、そうさせたいの?」
「!!!!」
(きっと私は顔が真っ赤。そんなことを考えていた訳じゃない。離れるのがいやだな、とは思っていたけれど。
でもそんな風に言われたら、帰るしかなくなっちゃう。)
百合香は車から降りて、助手席の扉を閉めた。
「ありがとうございました」
「今度はどこかゆっくり行こう」
そして柳瀬の車はあっという間に小さくなってしまった。
『今度はどこかゆっくり行こう』
百合香はその言葉を何度も反芻しながら部屋についた。