強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「柳瀬さんっ…！」
『終わった？』
「はい！今、外出たとこで…」
『そう。今から大丈夫？』


ふたつ返事でイエスを言うと、百合香は柳瀬の元へと急いで行く。




いつもと同じ場所にいつもと同じ車が停まってる。

「早いね。」
「あっ…急いで…っ」
「神野さんらしいね」


息を少しあげながら現れた百合香をみて柳瀬は笑って言った。

柳瀬に、乗って。と促されると、百合香は走った鼓動とは別のドキドキがバレないように一呼吸おいてシートへと腰を沈めた。

「今日は無事終わった？」
「はい。特に問題なく。」
「そう」
「柳瀬さんはやっぱり“副店長”ですね」


百合香は別に思ったことを言っただけだった。
休日までも、店が気になるんだなぁと、デキル大人な感じがしただけで深い意味はなかった。

今の百合香にとってどんな柳瀬でも他より輝いて見えるのはやはり柳瀬が好きだから。


ハンドルに寄りかかるようにしている柳瀬さんはいつもより少しだけ砕けて見えるのが嬉しく思う。
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