強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「···なに?」
「いや、柳瀬さんでもそういう感情ってあるんだなぁって」
「幻滅した?」
「柳瀬さんも同じだって、安心しました」

はにかんで即答した百合香をじっと見つめる柳瀬。

「また呼び方戻ってる」
「あ…」
「今度外で間違ったら、これも何かペナルティかな」
「また!?」

そういう百合香の唇をまた奪う。

「キス」


ふっと笑った柳瀬はやっと百合香から離れてエンジンをかけた。
百合香はほっとしたような、残念なような複雑な想いのまま車は地下駐車場を後にした。









仕事後のデートは時間があっという間。
翌日も普通に仕事があるから尚更割り切って帰らなければならない。

百合香の自宅アパート前に車が停車した。

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