強引な次期社長の熱烈プロポーズ
柳瀬がじっと百合香を見て、ゆっくりと頬に手を伸ばしてきた。

「…じゃあな。」

その言葉で私は車から降りた。
左の頬が熱い。夜の風はとっくに冷たい筈なのに。

百合香は車が見えなくなるまでその場に立っていた。




それから寝る準備を終えた頃、百合香の携帯が鳴った。
電話ではなくてメール。

開いてみると、初めての柳瀬からのメールがきていた。



【from:柳瀬智
sub:no title

明日、寝坊しないように。今日は返したくないくらい楽しかった。返事はいいから。おやすみ。】



(智さんはわかってない。
こんなメール寝る直前に来ちゃったら、嬉しすぎて眠れません。)


幸せ過ぎてどうしていいかわからない。

百合香は何度もメールを読み返しては寝がえりを打っていたのだった。

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