強引な次期社長の熱烈プロポーズ

＊


「おはようございます」
「おはよう」


今日も百合香は制服に着替え、挨拶をする。
相手の柳瀬はちゃんと上司になっている。


「おはよう神野さん」
「あ。おはようございます。」
「今日はなんだか可愛いね？」
「えっ…」


坂谷の相変わらずの百合香に向けられる好意。
はっとして百合香は坂谷にばれないように柳瀬をみた。
すると柳瀬がじっと見つめ返してきてなにか訴えているようだった。

そんなちょっとした違いが百合香には嬉しかった。




＊

店が開店すると、間もなくして柳瀬の常連の速水が来店した。


「おはようございます、いらっしゃいませ」
「おはようございます」

百合香や坂谷が手前にいても、関係なく柳瀬に真っ直ぐ向かう速水が百合香は見ていて気が気じゃなかった。