強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
百合香が案内した場所から急いでカウンターの方へ戻るとまだ速水が柳瀬の前に立っていて、少し距離を置いてまた様子をうかがい始めた。
RRRRRRR
携帯の音が鳴り響く。
その持ち主は速水で、鞄の中を探るとディスプレイをみて慌てている。
「すみません。約束の時間が…」
「いえ、お気になさらず。またゆっくり選びにきてください」
にっこりと柳瀬がそう伝え終わると同時に、ショーケースから出したペンをおもむろに速水が手に取り何かを書いて柳瀬に渡した。
「あのっ、これ私の番号なんです。よかったら!」
「速水様、」
柳瀬が何かを告げる前にそれを察してか速水は急ぐ形で深くお辞儀をして百合香の前を横切り帰って行った。
百合香は速水が階段から見えなくなるのを確認すると、今度は柳瀬に視線を向けた。
柳瀬はさっき帰り際に貰ったメモ用紙に視線を落としていた。
(何…?番号って…絶対携帯の番号だ。)
そんな痛いほど刺さる視線に柳瀬は気がついてそのメモをポケットに突っ込んだ。
百合香が案内した場所から急いでカウンターの方へ戻るとまだ速水が柳瀬の前に立っていて、少し距離を置いてまた様子をうかがい始めた。
RRRRRRR
携帯の音が鳴り響く。
その持ち主は速水で、鞄の中を探るとディスプレイをみて慌てている。
「すみません。約束の時間が…」
「いえ、お気になさらず。またゆっくり選びにきてください」
にっこりと柳瀬がそう伝え終わると同時に、ショーケースから出したペンをおもむろに速水が手に取り何かを書いて柳瀬に渡した。
「あのっ、これ私の番号なんです。よかったら!」
「速水様、」
柳瀬が何かを告げる前にそれを察してか速水は急ぐ形で深くお辞儀をして百合香の前を横切り帰って行った。
百合香は速水が階段から見えなくなるのを確認すると、今度は柳瀬に視線を向けた。
柳瀬はさっき帰り際に貰ったメモ用紙に視線を落としていた。
(何…?番号って…絶対携帯の番号だ。)
そんな痛いほど刺さる視線に柳瀬は気がついてそのメモをポケットに突っ込んだ。