強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「どうかした?柳瀬さんに怒られた?」
「えっ!そんな、怒られたりしてませんよ!」
「そうなの?ごめん。なんか雰囲気が、そうなのかなーって」
「ひどいです…」


百合香がほっぺを膨らませて怒ると、坂谷が宥めるように、まあまあ。と百合香の肩に触れた。


「柳瀬さんそういや速水さんとどうなったかな?」
「どう…って」
「なんかさ、今日は特に緊迫した雰囲気じゃなかった?速水さん!」
「·····」


(絶対に面白がってる、坂谷さん。こっちは大変なのにっ…)


と、坂谷に思ってみても、何も知らないのだから罪はないのだが。


「オレもあんな風なお客さんこないかなー」
「…不謹慎ですよ、坂谷さん」
「あ、ごめんごめん!ま、オレは神野さんがいいんだけどね。どう?」
「ど、どうって…そんなこと急に…。からかわないでください。」


いつもの坂谷の流れに持って行かれ、百合香は離れるタイミングを失った。

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