強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「百合香、はっきり拒否できるようになんなきゃだめよ！坂谷ごときでこんなんじゃあお客様相手だともっと大変よ？」
「う…はい…」
「それと、後でたっぷりお説教されるかも…」
「え？どういうことですか？」


綾が目で合図した先を振り替えって見てみると遠くからだけど、確かに何かを訴えてるのがオーラでわかる。

「や、柳瀬さん…」

百合香はマズイという顔をすると、柳瀬は溜め息をついて裏へ行ったのが遠くからでもわかるほどだった。


（確かに…説教というか…）


百合香は幸せと背中合わせで、いつ柳瀬の心が離れて行くか、考えたくはないけれどそんな風にも考えてしまって、いちいち柳瀬の顔色が気になっていた。


「じゃ、戻るからね」
「あ、すみません桜井さん」
「いいのいいの。今日うちバイトも全員出社してるから暇なのよ」


そういって綾は颯爽と戻って行った。

（とりあえず愛想尽かされないように、仕事しよう。坂谷さんは…可哀想だけどちょっと距離を保たなきゃ。）

そして百合香も業務に戻った。