強引な次期社長の熱烈プロポーズ
裏口まで4人で歩き外に出てちょっと柳瀬の様子を窺ったけど、江川に捕まってて、軽く「お疲れ」と言われて別れてしまった。

「とんだ邪魔者よね」

二人の後ろ姿を見ている百合香の肩越しに綾が言った。

「仕方ないですよ」
「後で電話、してみたら?」


(電話…いつ、掛けたらいいかな。何を話そう。)


「なんでもいいのよ、話題は!」


百合香の胸の内を悟ってか、綾は一言そう言った。


「あ、やっぱり…」
「?」
「飲みに行こ!」
「えぇっ!」


(まぁ、あの様子だと智さんも江川さんと飲みに行きそうだし…明日休みだしいいか。)


百合香は承諾すると、二人は繁華街へと足を向けた。

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