強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「じゃ、これから神野さんに会いに?」
「特に約束をしている訳じゃない。あの様子だと多分今頃桜井と一緒だろ」
「店ではオープンにするのか?」
「…いや。彼女も俺に気を遣って伏せるよう努力してくれてる。」


未だに信じられない、といつも水を流し込むようにビールを飲む江川の手が一向にジョッキを持ち上げない。

そして、話がひと段落した時に柳瀬は速水から受け取った番号を思い出す。
そのメモはズボンのポケットに入ったまま。


(できれば明日百合香は休みだから今日中に話をしたいんだけどな・・)


柳瀬は時計を気にしながらウーロン茶を飲み進めていた。








「おい」
「ん~…」

それから数時間後、江川が完全に酔っぱらった。
意味もわからず、柳瀬に対して“乾杯”とかいって。一人で飲んでた癖にここまで酔えるとはおめでたいヤツだ。

ピッ
プルルルル、プルルルル、

『はい?』
「もしもし、柳瀬です」
『柳瀬くん!?どうしたの?』





柳瀬は自分の携帯を取り出しある人に電話をした。その後江川をタクシーで送り届けた。
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