強引な次期社長の熱烈プロポーズ
(智さんの胸の中、あったかい…落ち着く匂いがする)。
百合香は顔をうずめたまま柳瀬の腰に手を回す。
柳瀬もまた、百合香の背中に手を優しく回してすっぽりと自分の体に閉じ込める。
「今日、いやな思いさせて悪かった」
百合香は柳瀬の中から顔をあげた。
「本当、大丈夫だから。信じて。」
「·······はい。」
「信じられない?」
「そうじゃないんですけど…でも」
百合香は言葉を詰まらせてまた顔を下げた。
(こんなに大切に扱ってくれているのに、何を言うつもりなんだろう私。
これ以上求めたらばちが当たっちゃう。)
柳瀬の温かい手が百合香の顔を上へ引き上げた。
「『でも』なに?」
「···でも、信じているけど、私にはそういうのを笑顔で聞き流せる余裕がないんです。」
「『そういうの』?」
「―――智さんが、そうやって女の人にアプローチされたり、誰かと話をしていたり。私の見えないところまで、気にして、気になって、どんどん醜くなってく…っ」
声が掠れて上手く出ない。
自分のこの感情に押しつぶされそうで。だから言わずにはいられなかった。
百合香は顔をうずめたまま柳瀬の腰に手を回す。
柳瀬もまた、百合香の背中に手を優しく回してすっぽりと自分の体に閉じ込める。
「今日、いやな思いさせて悪かった」
百合香は柳瀬の中から顔をあげた。
「本当、大丈夫だから。信じて。」
「·······はい。」
「信じられない?」
「そうじゃないんですけど…でも」
百合香は言葉を詰まらせてまた顔を下げた。
(こんなに大切に扱ってくれているのに、何を言うつもりなんだろう私。
これ以上求めたらばちが当たっちゃう。)
柳瀬の温かい手が百合香の顔を上へ引き上げた。
「『でも』なに?」
「···でも、信じているけど、私にはそういうのを笑顔で聞き流せる余裕がないんです。」
「『そういうの』?」
「―――智さんが、そうやって女の人にアプローチされたり、誰かと話をしていたり。私の見えないところまで、気にして、気になって、どんどん醜くなってく…っ」
声が掠れて上手く出ない。
自分のこの感情に押しつぶされそうで。だから言わずにはいられなかった。