強引な次期社長の熱烈プロポーズ
百合香は膝の上の鞄を握りしめて、俯きながら小さな声で言った。

「…帰りたくない。」

エンジン音にかき消されるかどうか位の小さな一言。
だけど百合香にとってはすごく思い切った一言。

そんな百合香の言葉を柳瀬は聞き逃さない。


「そんなこと言ったら、どうなるかわかって言ってるの?」


ブォン!


信号が青になって車はエンジン音を上げて走り出す。


勇気を出して言った一言。













そして百合香は柳瀬の家で一緒に車を降りることになる。


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