強引な次期社長の熱烈プロポーズ
―――――――唇。


それから、頬。

耳まで行くと、悪戯に軽く甘噛みされて、首筋をなぞる。


ゆっくりと降りてくるキスは、時々音を立てて。


「あっ…」
「ずっと、こうしたかったのに…肝心な時に寝てるなんて、狡いだろう?」


下から目線だけを百合香に向けて柳瀬がそう言った。
百合香は柳瀬の髪の毛に触れて、彼を見た。

「···ごめんなさい」

「だから、今日は我慢しない」

柳瀬が百合香に再び触れ始めると、百合香は小さく吐息を漏らして体を預ける。


早く、ひとつになりたい。


そう思うのは百合香も柳瀬も同じ。


二人は求めあうように体を重ねた。


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