強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
ガコン、
ウィーン
百合香は2階に着きエレベーターから降りる。
すぐそこに背を向けてパソコンに向かっている柳瀬の姿を捕えた。
一瞬で頭から足の先まで熱くなる。
(冷静に、冷静に。)
軽く深呼吸をして、戻りました。と声を掛けてそこを横切る。
ちらりと柳瀬の方を確認したけど、彼はパソコンから目も離さずに一言、はい。と言っただけ。
(こんなに私は意識してるのに、なんだかばかみたい。)
そう思いながら足早に万年筆コーナーへと戻ると坂谷がいた。
「あ、おかえり。」
「あ…戻りました…」
百合香がそう言って私物を引き出しにしまうと、坂谷の視線が未だ自分にあることに気付き、顔を上げる。
「なにか?」
「あ、いや!なんかあったのかなって」
「え??!」
「なんか泣きそうな顔してた気がしたから」
(泣きそう?私が?そんな顔してる?)
百合香は精いっぱい笑顔を作った。
「気のせいですよ」
その顔を見て坂谷は、そうみたいだね。と言って業務に戻って行った。
ガコン、
ウィーン
百合香は2階に着きエレベーターから降りる。
すぐそこに背を向けてパソコンに向かっている柳瀬の姿を捕えた。
一瞬で頭から足の先まで熱くなる。
(冷静に、冷静に。)
軽く深呼吸をして、戻りました。と声を掛けてそこを横切る。
ちらりと柳瀬の方を確認したけど、彼はパソコンから目も離さずに一言、はい。と言っただけ。
(こんなに私は意識してるのに、なんだかばかみたい。)
そう思いながら足早に万年筆コーナーへと戻ると坂谷がいた。
「あ、おかえり。」
「あ…戻りました…」
百合香がそう言って私物を引き出しにしまうと、坂谷の視線が未だ自分にあることに気付き、顔を上げる。
「なにか?」
「あ、いや!なんかあったのかなって」
「え??!」
「なんか泣きそうな顔してた気がしたから」
(泣きそう?私が?そんな顔してる?)
百合香は精いっぱい笑顔を作った。
「気のせいですよ」
その顔を見て坂谷は、そうみたいだね。と言って業務に戻って行った。