強引な次期社長の熱烈プロポーズ
休憩から戻ると、まずは伝言があるかどうかチェックする。

伝言を預かった人は決められたホワイトボードに預かった相手の名前の枠内にメモ用紙を張貼り付ける。
大体がお客様やメーカーさんへの折り返しの電話やことづけだ。

百合香は自分の名前の部分に目をやった。
すると1枚のメモが貼ってあった。


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13:00

 ステラ川口さんよりTEL有
 折り返し欲しいとのこと

         柳瀬
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百合香はメモをホワイトボードから外し、手に取った。

相変わらず綺麗な字。
そしてインクの色はいつものブルーブラック。
この白い紙にとてもよく映える色。

ややしばらくそのメモを見つめ、はっと我に返り百合香は売場内の受話器を取った。


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