強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「うん。美味しい。」
「ほっほんと!?」
「いつも弁当作ってるだけあるな」
「え?知ってるんですか?」

百合香は柳瀬と同時に休憩したことなどない。
どのタイミングで見ていたのかは知らないが、女としてやっぱり料理を誉められるのは嬉しいものだ。


「明日、考えた?」
「あ…」


今日は他に考えることがあって全く明日のことを忘れていた。


「その様子だと、まだみたいだな」
「ごめんなさい…」


百合香が肩をすぼめると、柳瀬は百合香の頭にをポンポンっと手を置いた。

「怒ってないよ。そんなに俺、怖い?」

柳瀬の問いかけに無言で首を横に振った。
すぐに萎縮して、口から出るのは謝罪の言葉。それは仕事中でも、昔からの百合香の性格。

「じゃあ明日は遠出でもしようか」

(どこでも智さんと一緒ならきっと楽しめるんだろうけれど。でも遠出となると周りを気にしなくていいからちょっと、嬉しい。)

百合香はコクッと頷くと、テーブルの上の料理に手をつけ始めた。


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