強引な次期社長の熱烈プロポーズ


「そんなんじゃないのに」
「だけど、否定しないから」

2人はそのままベットに入って天井を仰いでいる。

(否定なんて、しようと思ったのにそれをさせてくれないくらい、智さんが私に····)

心に思うだけで、百合香は言わないでおくことにした。言ったらまたなにかされるに違いない。

「私は、智さんしか考えてません。本当に…一秒でも傍にいたいんですから。」

百合香はくるりと柳瀬に背を向けてそう言った。
すると、背後からぎゅっと広い胸に抱きしめられてどきんとする。


「ごめん。」
「····」
「…実は来週出張があるから少しの間だけど会えなくなるから」
「出張!?」


その言葉に、柳瀬の胸の中で百合香は体を向きなおした。
すると思ったよりも距離が近くてさらに心拍数が上がる。


「2泊かな」
「じゃあシフト、少し変っちゃいますね」
「多分シフトは約一週間くらいすれ違いになるかもな」


(一週間も····)

「だけど、出張自体は3日間なんだから、他は百合香がここにくるといいよ」


(なんだか不安··)

出張中に柳瀬が何かしてるんじゃないかってことではなくて、自分が3日間も耐えられるかが。

< 189 / 610 >

この作品をシェア

pagetop