強引な次期社長の熱烈プロポーズ
(きっとその数年間で、桜井さんが前に言っていた過去がそれぞれ色々あって。
今は江川さんとまどかさんが幸せになっているんだ。)
柳瀬の話が途切れた時に丁度注文していたものが運ばれてきた。
「…食べましょうか」
「ああ」
百合香が雰囲気を少し変えようかとそう言って箸を手に持った。
すると柳瀬は箸を手に持ったまままた口を開いた。
「江川と杉浦が付き合って、それから次の異動の時期にやっぱり辞令がでたから。杉浦に。」
「え?」
「だから、きっと同じことになるんだろうと思って。少しでも上司としても君を見ていたい気持ちがあるから····まあそれだけじゃないんだけどね」
自己完結したように言い終わって鼻で軽く笑うと、柳瀬は目の前の料理に手をつけ始めた。
自分の親しい同期が過去に異動してるのを見てきたから。
(だからわざわざ私との関係を内密に…って言ってくれてたんだ。)
確かにずっと同じところにいられるわけじゃない。
それは柳瀬もいっていたこと。
だけど、もう少し…もう少しだけでいいから傍に居させてほしい。
部下として、上司である智さんに少しでも追いつけるように。
自分自身何においてももう少し自信が持てる様になるまで。
そうしたらきっと、距離が離れていても心は大丈夫になっていると思うから。
今は江川さんとまどかさんが幸せになっているんだ。)
柳瀬の話が途切れた時に丁度注文していたものが運ばれてきた。
「…食べましょうか」
「ああ」
百合香が雰囲気を少し変えようかとそう言って箸を手に持った。
すると柳瀬は箸を手に持ったまままた口を開いた。
「江川と杉浦が付き合って、それから次の異動の時期にやっぱり辞令がでたから。杉浦に。」
「え?」
「だから、きっと同じことになるんだろうと思って。少しでも上司としても君を見ていたい気持ちがあるから····まあそれだけじゃないんだけどね」
自己完結したように言い終わって鼻で軽く笑うと、柳瀬は目の前の料理に手をつけ始めた。
自分の親しい同期が過去に異動してるのを見てきたから。
(だからわざわざ私との関係を内密に…って言ってくれてたんだ。)
確かにずっと同じところにいられるわけじゃない。
それは柳瀬もいっていたこと。
だけど、もう少し…もう少しだけでいいから傍に居させてほしい。
部下として、上司である智さんに少しでも追いつけるように。
自分自身何においてももう少し自信が持てる様になるまで。
そうしたらきっと、距離が離れていても心は大丈夫になっていると思うから。