強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
それから間もなく開店した。
5分間はお客に特に声を掛けられることもなく、その後は予定していた仕事に手をつけ始めた。
すると書き物をしていた百合香の前をヒールの音が過ぎていった。
お客様だ、と顔をあげていらっしゃいませ。と言いかけた百合香は戸惑ってしまう。
その女性はゆっくりとショーケースの内側にいた柳瀬に近づいて行った。
「速水さん、めげないね」
横から話を振ってきたのは坂谷だった。
百合香は驚いたけど、気にしていない体でまた書き物に視線を落とした。
「速水さんも結構綺麗なのに、柳瀬さんてなんとも思わないのかな?」
「さあ。私にはわかりません」
(坂谷さんは本当に冷やかしが好きなんだから。)
面白半分で柳瀬と速水の行方を見てるに違いない。
自分もいつ突っ込まれるかわからないし、どこかに行ってくれないかな…なんて思ってしまう。
そんな百合香の意と反して、他にお客は見当たらない。
それから間もなく開店した。
5分間はお客に特に声を掛けられることもなく、その後は予定していた仕事に手をつけ始めた。
すると書き物をしていた百合香の前をヒールの音が過ぎていった。
お客様だ、と顔をあげていらっしゃいませ。と言いかけた百合香は戸惑ってしまう。
その女性はゆっくりとショーケースの内側にいた柳瀬に近づいて行った。
「速水さん、めげないね」
横から話を振ってきたのは坂谷だった。
百合香は驚いたけど、気にしていない体でまた書き物に視線を落とした。
「速水さんも結構綺麗なのに、柳瀬さんてなんとも思わないのかな?」
「さあ。私にはわかりません」
(坂谷さんは本当に冷やかしが好きなんだから。)
面白半分で柳瀬と速水の行方を見てるに違いない。
自分もいつ突っ込まれるかわからないし、どこかに行ってくれないかな…なんて思ってしまう。
そんな百合香の意と反して、他にお客は見当たらない。