強引な次期社長の熱烈プロポーズ
＊

その日はそれから万年筆やボールペンが４、５本売れた程度で閉店となった。



「お疲れさまでした」

夕礼が終わるとぞろぞろと社員たちがエレベーターに群がり帰り支度をする。

２階の私達がエレベーターを待っていると、１階の社員達もちょうど終わってエレベーター内は混雑していた。


「百合香！」

そうエレベーターの奥で呼んでいたのは綾だ。


「あ、お疲れさまでした。」
「百合香、今日これからの予定は？」
「帰るだけですけど」
「じゃ、ちょっといこ。」


誘われるのは嬉しい。けれど今日の目的はなんとなく察していてなんだか妙に緊張してしまった。


着替えを終えて百合香と綾は再びエレベーター前に立つ。
すると柳瀬と柳瀬のもう一人の同期、江川勇介《えがわゆうすけ》もエレベーターで一緒になった。


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