強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「いやぁ～なんだか・・・変な感じするね！」
「…私もです」

笑いながら江川がいうから、百合香もつい本音が出てしまう。

百合香はお弁当を開けて食べ始める。


「あいつさぁ、オレが知る限りでずっと一人だったからもうこのままいくのかと思ってた。」
「え？」
「入社してからだから８年だよ？！オレ心配しちゃって」


（８年？ずっと？
江川さんの話が１００パーセント事実かはわからないけど、でも仮にそうだとしたら、なんで私なんだろう。）

腑に落ちない顔して江川を見つめると、江川はお弁当をかきこんで蓋を閉じた。

「まぁとりあえず、よかったよかった！」
「・・・・」
「あ。」

楽観的な性格は見た目通り。
しかし江川は大きく笑って喜んだあと、何かを思い出したようで声を漏らした。

「なにか？」
「・・・・・いや」
「・・・そういうの、一番気になるんですけど」
「あ、だよね・・・」

ちょっと気まずそうな言い方をすると、気にしないでね。と前置きをしてから江川が百合香に続きを話した。