強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
お昼も過ぎて、閉店まであと1時間。
百合香は今朝からの仕事に追われていたものがやっと終わりが見えてきた。
今日に限っては、山積みになっていた仕事のおかげで彼女のことを考えずに済んだからよかった。
(急ぎの業務はもう終えたし、あとはマイペースに接客しながら商品整頓でもしよう。)
そう思って百合香はカウンターをバイトの子に任せて売場へと出た。
鞄やお財布などの細かなものを綺麗に整頓していく。
その商品棚の影からひょこっと顔を出してきたのは坂谷だった。
「神野さん、お疲れ様」
「あ、お疲れ様です」
「今日追われてたけど無事終わった?」
「あ、はい。なんとか」
普通の会話は何も感じずに受け答えはできる。
百合香は手を動かしながら坂谷の話に付き合っていた。
「ね。今日は暇?」
「え…と、今日は予定が入ってます」
それは嘘じゃない。
柳瀬が休憩前にそんな感じで仄めかしていたから。
「えー。そっか…」
残念がる坂谷を横目に百合香はこのままだとまずいと判断して在庫整理を装ってバックヤードへと移動した。
お昼も過ぎて、閉店まであと1時間。
百合香は今朝からの仕事に追われていたものがやっと終わりが見えてきた。
今日に限っては、山積みになっていた仕事のおかげで彼女のことを考えずに済んだからよかった。
(急ぎの業務はもう終えたし、あとはマイペースに接客しながら商品整頓でもしよう。)
そう思って百合香はカウンターをバイトの子に任せて売場へと出た。
鞄やお財布などの細かなものを綺麗に整頓していく。
その商品棚の影からひょこっと顔を出してきたのは坂谷だった。
「神野さん、お疲れ様」
「あ、お疲れ様です」
「今日追われてたけど無事終わった?」
「あ、はい。なんとか」
普通の会話は何も感じずに受け答えはできる。
百合香は手を動かしながら坂谷の話に付き合っていた。
「ね。今日は暇?」
「え…と、今日は予定が入ってます」
それは嘘じゃない。
柳瀬が休憩前にそんな感じで仄めかしていたから。
「えー。そっか…」
残念がる坂谷を横目に百合香はこのままだとまずいと判断して在庫整理を装ってバックヤードへと移動した。