強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「あの人…やっぱりそうだったんだね～江川くんがちょっとぼやいてたから」
「私とは全くタイプが違うから…なんていうか、予測できないって言うか」
「あ～。でも今の話とか聞いてたらそうかもね。ズバッと言う感じだもんね」
「私、瞬時に頭回転しなくて…後から色々悩んじゃうから…」


百合香は自虐的に笑いながら綾にそういって肩を落とした。
綾はそんな百合香に激励を投げ掛ける。

「だけどさ！百合香は百合香なんだし！実際付き合ってるのも百合香なんだから堂々としてなよ！」

「う～ん…」

確かにそうだし、別に何か勝負をするわけじゃない。だけど、気にしないことはできるわけもない。堂々とできる性格なら初めからこんな風にウジウジもしていなかった。

何よりも、柳瀬の隣に自分がいる方が違和感を感じる気がしてしまって。美雪のように自信に満ち溢れてて、仕事もできて。容姿も整ってて、雰囲気も大人の女性で…魅力的な柳瀬に条件的にはぴったりだと思った。

だからといって諦めるなんて少しも思ったりはしてないけれど、百合香自身ももう少し大人になりたい。あんな女性に近付きたい、と焦りを滲ませていた。