強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「ま、話戻して。明日からなんかあったり淋しくなったらいつでも声掛けてよー」
「あ、ありがとうございます…」

綾が明るく話を区切ると百合香も気分が軽くなって、お昼を食べることができた。


今日もいつもと同じように仕事を頑張って、残業ないようにして。そして笑って柳瀬と過ごして、明日は毅然な態度で送り出す。

心配することはない。
連絡はいつでもとれるんだから、と胸に何度も手を充てて。


休憩から戻る前の化粧室で桜色の口紅を塗る。
そして鏡に向かってそう心で思うと、背筋を伸ばして前を見て歩き出した。