強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
「離せ」
「離したら、どこにも行かずにいてくれます?」
「·····」
プルルルル プルルルル
暫くその体勢のまま無言になると、部屋に電話の音が鳴り響く。
柳瀬が3コール目で動こうとしたのを美雪が制止する。
「私が、出ます」
そして絡み付いていた腕を外して美雪はベッドの横にある受話器をあげ耳にあてた。
「はい」
『柳瀬様でしょうか?お電話が入っておりまして、神野様という方からなのですが』
美雪は一瞬断ろうか考えたが、頭の回転が速いために出た方が賢明と判断した。
「はい。繋いで下さい」
美雪の受け答えだけを黙って聞いていた柳瀬はふと自分の携帯の電源を入れ忘れていたのを思い出して電源を入れる。
立ち上がった携帯には不在着信が1件表示されていた。
そしてそれは思った通り百合香からの着信であることを確認した。
「はい」
(阿部さんが外線の誰かと話始めた……でもこんなことをしてまでとった部屋を誰かが知っているのか…
阿部さんにとっては隠しておきたい筈。
もしかして―――――)
「離せ」
「離したら、どこにも行かずにいてくれます?」
「·····」
プルルルル プルルルル
暫くその体勢のまま無言になると、部屋に電話の音が鳴り響く。
柳瀬が3コール目で動こうとしたのを美雪が制止する。
「私が、出ます」
そして絡み付いていた腕を外して美雪はベッドの横にある受話器をあげ耳にあてた。
「はい」
『柳瀬様でしょうか?お電話が入っておりまして、神野様という方からなのですが』
美雪は一瞬断ろうか考えたが、頭の回転が速いために出た方が賢明と判断した。
「はい。繋いで下さい」
美雪の受け答えだけを黙って聞いていた柳瀬はふと自分の携帯の電源を入れ忘れていたのを思い出して電源を入れる。
立ち上がった携帯には不在着信が1件表示されていた。
そしてそれは思った通り百合香からの着信であることを確認した。
「はい」
(阿部さんが外線の誰かと話始めた……でもこんなことをしてまでとった部屋を誰かが知っているのか…
阿部さんにとっては隠しておきたい筈。
もしかして―――――)