強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
「いらっしゃいませ、あ…」
百合香のプライベートなんて関係なく、お店は営業する。
制服の袖を通して、よし。と気合を入れて開店に臨んだ。その直後だった。
「おはようございます」
朝の挨拶に顔を上げると久しぶりの常連の男性だった。
あの、百合香をお気に入りとわかる行動をする客だ。
前回は1階まで付き合わされて、寸でのところで綾と江川に助けられた。
「神野さん、今日はいつもと雰囲気が…ああ、髪型ですかね」
スーツの男性はにこりと笑ってそんな話を振ってくる。
悪い人ではないけれどやっぱり警戒してしまう。
「はい…本日は何をお求めで?」
百合香はなんとか接客上の話に持っていこうと業務的な質問をわざと投げかける。
「ああ、今回は社内の人間に贈り物をね」
そういってショーケースに目をやった。
(贈り物か…やっぱりすぐ解放されるような内容じゃないかな…)
こんなこと思ってはいけないのは百も承知だけど、苦手なものは苦手なのだから仕方がない。それでもそんなことは顔に出さないのは当たり前。
営業スマイルで百合香は贈り物の相談を受ける。
「いらっしゃいませ、あ…」
百合香のプライベートなんて関係なく、お店は営業する。
制服の袖を通して、よし。と気合を入れて開店に臨んだ。その直後だった。
「おはようございます」
朝の挨拶に顔を上げると久しぶりの常連の男性だった。
あの、百合香をお気に入りとわかる行動をする客だ。
前回は1階まで付き合わされて、寸でのところで綾と江川に助けられた。
「神野さん、今日はいつもと雰囲気が…ああ、髪型ですかね」
スーツの男性はにこりと笑ってそんな話を振ってくる。
悪い人ではないけれどやっぱり警戒してしまう。
「はい…本日は何をお求めで?」
百合香はなんとか接客上の話に持っていこうと業務的な質問をわざと投げかける。
「ああ、今回は社内の人間に贈り物をね」
そういってショーケースに目をやった。
(贈り物か…やっぱりすぐ解放されるような内容じゃないかな…)
こんなこと思ってはいけないのは百も承知だけど、苦手なものは苦手なのだから仕方がない。それでもそんなことは顔に出さないのは当たり前。
営業スマイルで百合香は贈り物の相談を受ける。