強引な次期社長の熱烈プロポーズ
10.届きそうなのに・・・
*
――――再び東京
「···坂谷さん、離して下さい」
「オレなら、神野さん不安になんか絶対させないよ」
「っ…離して!」
百合香の力一杯の抵抗は坂谷を少し後ろに押しやる程度だった。
まだ、坂谷の腕は百合香の肩の上だ。
少し背の高い坂谷を百合香は見上げる。
薄暗い歩道で見えた坂谷の顔は、いつも見る顔ではなく完全に男の人で、正直ドキッとした。
「もし柳瀬さんが好きでも、他の奴だとしても。オレは堂々と闘うよ。」
「·····」
「まだ、そういう関係じゃないならオレにだって望みはあるよね?」
「···私··」
この期に及んで白状出来ない私は罪だろうか。
坂谷さんがこんなにも真剣に向き合って、ぶつかってきてくれてるのに、それでも私の心の隅で、智さんと一緒にいたいという気持ちがあって。
だからこそまだ、誰にも知られちゃいけない。
片想いとしてなら大丈夫。でも付き合っていることは···
「神野さん」
百合香が俯いて一人でぐるぐると考え事をしている間にまた坂谷との距離が近くなっている。
ふっと顔を上げると坂谷の顔が至近距離に来ていた。
――――再び東京
「···坂谷さん、離して下さい」
「オレなら、神野さん不安になんか絶対させないよ」
「っ…離して!」
百合香の力一杯の抵抗は坂谷を少し後ろに押しやる程度だった。
まだ、坂谷の腕は百合香の肩の上だ。
少し背の高い坂谷を百合香は見上げる。
薄暗い歩道で見えた坂谷の顔は、いつも見る顔ではなく完全に男の人で、正直ドキッとした。
「もし柳瀬さんが好きでも、他の奴だとしても。オレは堂々と闘うよ。」
「·····」
「まだ、そういう関係じゃないならオレにだって望みはあるよね?」
「···私··」
この期に及んで白状出来ない私は罪だろうか。
坂谷さんがこんなにも真剣に向き合って、ぶつかってきてくれてるのに、それでも私の心の隅で、智さんと一緒にいたいという気持ちがあって。
だからこそまだ、誰にも知られちゃいけない。
片想いとしてなら大丈夫。でも付き合っていることは···
「神野さん」
百合香が俯いて一人でぐるぐると考え事をしている間にまた坂谷との距離が近くなっている。
ふっと顔を上げると坂谷の顔が至近距離に来ていた。