強引な次期社長の熱烈プロポーズ


――――広島


二日目とあってか、酔いも早く回ったためか···
昨夜と比べて早い時間にお開きとなった柳瀬は金山、七重、笹森と別れる。
金山と七重に至ってはこれでお別れになるため挨拶が長くなったが、また次は東京で。と握手を交わした。


そしてまた、美雪と共にタクシーで昨日とは別のホテルへと移動した。


「明日はご一緒しても?」
「…初めからそのおつもりだったんでしょう?」
「あら、ご迷惑でしたら考えましたけど」
「だったら先に戻って頂いても結構ですが」
「残念。もう先方に私も同行する旨予定を入れて頂いてますので」


タクシーの中では攻防戦が繰り広げられた。


どうせ初めからついてくる予定だろうし、逆にどんなことをしてもきっと一緒にいる時間を持とうと計画していたのだろう。
昨日の行動ではっきりしてる。
遠慮のない、その押しの強い行動力。

神戸での2店舗の視察。
彼女もせっかくの機会だから、とオーシャンの人間として挨拶に行く約束をしているらしい。

(全く、こんなに計算されてるとはつくづく感服させられる人だ。)

そんなことを考えている間に今日のホテルは近場だった為にすぐに到着した。


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