強引な次期社長の熱烈プロポーズ

ひょいっと抱き抱えられて行き着く先はいつものセミダブルのベッド。


「おっ重いからっ…」
「そんなことないけど。もう何度こうしてると思ってるの」
「あ···」
「酔い潰れた時の方がよっぽど大変」


首に手を回して少し近付いた距離から見上げる柳瀬の顔はやっぱり綺麗で見とれてしまう。
だけど言うことが嫌味で顔を背けたくなる。

そんな百合香を柳瀬は降ろさずに抱き上げたまま立っていた。


「もう。大変って言われるくらい本当に重いから降ろして下さい。」


百合香は照れと不貞腐れるのとが混じったように言った。


「大変って言うのは、我慢しなきゃならないからって意味だったんだけど」
「んっ」

「でももう我慢する自信はないな」


一度押し付けるようなキスをして、再び息が出来なくなるような、時間が止まったような深いキスがやってくる。