強引な次期社長の熱烈プロポーズ
百合香はただ黙って窓の外の景色を見る。
そうでもしなきゃこの間がもたない。気の利いた話題のひとつも思い浮かばない。思い出すのはやっぱり柳瀬との2度のキスだけで…
「今日は驚いたよ」
「えっ」
口を先に開いたのはやはり柳瀬。
ハンドルに手を掛け、視線は前を見つめたままだが唇が百合香の名前を発音する。
「神野さんが、反抗するなんて」
「反抗なんて!私は、ただ…」
「嘘だよ。でも君はいつも自信なさそうに物事を話すから」
百合香は景色を見るのをやめ柳瀬の顔を見た。
柳瀬は変わらず前を見て、左手をせわしなく動かし車を操作している。
「神野さんははっきりとものを言わない。特に俺にね。」
そう言われたら言い返す言葉がない。
坂谷やアルバイトの子には割と普通に指示を出したり説明を仰いだりできるのだが、柳瀬が相手だとそうはいかない。
あの雰囲気と、真っ直ぐ見つめられる瞳を前にしたら、はっきりとものを言うことなんて出来なかったのだから。
「今日は何が君をそうさせたんだろうね」
意味深な発言をした柳瀬が信号で止まったタイミングで百合香を見つめた。
そうでもしなきゃこの間がもたない。気の利いた話題のひとつも思い浮かばない。思い出すのはやっぱり柳瀬との2度のキスだけで…
「今日は驚いたよ」
「えっ」
口を先に開いたのはやはり柳瀬。
ハンドルに手を掛け、視線は前を見つめたままだが唇が百合香の名前を発音する。
「神野さんが、反抗するなんて」
「反抗なんて!私は、ただ…」
「嘘だよ。でも君はいつも自信なさそうに物事を話すから」
百合香は景色を見るのをやめ柳瀬の顔を見た。
柳瀬は変わらず前を見て、左手をせわしなく動かし車を操作している。
「神野さんははっきりとものを言わない。特に俺にね。」
そう言われたら言い返す言葉がない。
坂谷やアルバイトの子には割と普通に指示を出したり説明を仰いだりできるのだが、柳瀬が相手だとそうはいかない。
あの雰囲気と、真っ直ぐ見つめられる瞳を前にしたら、はっきりとものを言うことなんて出来なかったのだから。
「今日は何が君をそうさせたんだろうね」
意味深な発言をした柳瀬が信号で止まったタイミングで百合香を見つめた。