強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「でも今、“龍”が売れるなんて…もう今年はへび年なのに・・・」
冗談のつもりで言った一言で美雪ははっと口を噤んだ。
勿論柳瀬には誤魔化しもきかないのはわかるからただ慌てて話すのをやめるだけ。
「阿部さん、俺は“蒔絵”とは言ったけれど一言も“龍”だって言ってませんよね?それは坂谷も同じだ」
「・・・・っ」
「いい加減にしてください。ちゃんと、モノが期日に納品されるなら大事にはしませんよ」
一気に形勢逆転されて、美雪は余裕の笑みが消えて今度は冷や汗を流している。
「あなたにはプライドがあると思ってましたが…」
「ありますよ。売上もちゃんと…」
「どういうことですか」
「・・・本当に偶然よ。たまたま私が担当している他の所でも“龍”の注文が来たのよ。だから・・・」
「まさか…」
「そう。今うちに“龍”の在庫はその1本だけよ」
初めて、女性に手を上げたい衝動に駆られた。
勿論それを実際に実行はせずに、爪の跡が残るほど自らの手を握りしめることで我慢はしたが。
冗談のつもりで言った一言で美雪ははっと口を噤んだ。
勿論柳瀬には誤魔化しもきかないのはわかるからただ慌てて話すのをやめるだけ。
「阿部さん、俺は“蒔絵”とは言ったけれど一言も“龍”だって言ってませんよね?それは坂谷も同じだ」
「・・・・っ」
「いい加減にしてください。ちゃんと、モノが期日に納品されるなら大事にはしませんよ」
一気に形勢逆転されて、美雪は余裕の笑みが消えて今度は冷や汗を流している。
「あなたにはプライドがあると思ってましたが…」
「ありますよ。売上もちゃんと…」
「どういうことですか」
「・・・本当に偶然よ。たまたま私が担当している他の所でも“龍”の注文が来たのよ。だから・・・」
「まさか…」
「そう。今うちに“龍”の在庫はその1本だけよ」
初めて、女性に手を上げたい衝動に駆られた。
勿論それを実際に実行はせずに、爪の跡が残るほど自らの手を握りしめることで我慢はしたが。