強引な次期社長の熱烈プロポーズ


「俺がやるから百合香お風呂入っといで」


こんな完璧な人っているんだ。
2人で食べ終えた洗い物をしてくれて、お風呂へどうぞと促してくれる。
しかもその洗い物をしている姿でさえ不思議と絵になるからすごい。

百合香がお風呂に入り、そのあとに柳瀬も入ったらまた2人のゆっくりした時間が流れ始める。


「あ、そういや今日江川が次の定休日前にでもきて欲しいって言ってた」
「え?私もですか?」
「そりゃ前に杉浦にいわれてたろ」
「あ、そういえば…」


思いだした。
だけどどっちかというと消し去りたい方の記憶かな…
あの時は本当に顔から火が出るんじゃないかってくらい恥ずかしかったから。


「定休日じゃなくても、もし休みが一緒だったら行きたいところがあるんですけど」
「珍しいね、どこ?」
「初めて出かけた本屋さん」
「本?」


柳瀬が不思議な顔をして百合香を見た。
百合香が普段本なんて手にしたことないの知ってるからだろう。
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