強引な次期社長の熱烈プロポーズ
柳瀬は開店してすぐ、電話をしにいくから。といなくなってしまった。

（土曜日だから、メーカーさんではなさそう。
お客様に電話かな？そうだとして、売場ではなく裏で電話するなんてよっぽどの大事な内容なのかな…）


そんなことが気になりながら百合香はカウンター内を整頓していた。


「神野さん、聞きました？」
「え？なに？」
「昨日柳瀬さんと坂谷さんと話をしてるところをちらっと聞こえてきたんですけど」
「坂谷さんと…？」


バイトの湯川が『柳瀬さんと坂谷さん』だなんて組み合わせをボソッと耳打ちしてきたから百合香は体を湯川の方に傾けた。
心当たりがあるような、ないような気がして気にならない訳がない。


「…な、なにを聞いたの？」
「それが···」


「あ、私も聞きました～！店長から！！」


横から割って入ったのは長谷川だ。


「え？？長谷川さんも？」


益々落ち着かない百合香の心臓。



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