強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「そうやって、こんなときでも自分の立場よりも相手のことを考える」
「そんな凄いことじゃないですよ」
「普通、自分が怒られるとか、そういう風に考えそうなものだけど」
「買い被り過ぎですよ」
「百合香は気付いてないだろうね」


今そんな風に褒められたところで、気持ちが切り替わる筈もない。
それよりも、やっぱりあのお客様のことが気になって。

自分がおろおろしてる前で相変わらず余裕の柳瀬に疑問を抱いて考えた。


(もしかして、智さんなら何かうまく考えてくれて…?)


「もしかして…何かフォローしてくれたんじゃ…」
「運が良かっただけだけど。広島の、ある店に掛け合ったら大丈夫だったから」
「え?じゃあ…」
「入荷日は遅れるけどちゃんとお客様には渡せるよ」


(広島の···?
ああ、だけどとりあえず良かった!!)


「じゃあお客様に遅れる旨連絡しないと…!」
「それももうしてある。坂谷が」
「坂谷さん…?」
「あいつなりに、心配してたよ」


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