強引な次期社長の熱烈プロポーズ
*
翌日の日曜日は柳瀬が公休で社員はまた百合香と坂谷だった。
「坂谷さん!ありがとうございます!」
「え?なに!?」
坂谷にとって百合香が満面の笑顔を自分に向けてお礼を言っているなんて嬉しいけど訳がわからない。
「蒔絵のことですよ。お客様に電話もしてくれたって柳瀬さんから聞きました」
「あ?あー…うん。だって、ほら、オレも知ってる客注だったし!」
大したことをした訳でもないのに、そんなに澄んだ目で真っ直ぐ見られてお礼を言われたらなんだかくすぐったい。
坂谷は照れていた。
「本当に嬉しかったし、助かりました!」
「え?解決したの?」
「はい!柳瀬さんが」
「そう。やっぱり…」
あの喫煙室で、柳瀬が言っていた。
『アテがある』と。
坂谷の中で柳瀬にはやっぱり敵わない、欠点のひとつでもあればそこを攻めて行くのに、と心の中で溜め息をついていた。
翌日の日曜日は柳瀬が公休で社員はまた百合香と坂谷だった。
「坂谷さん!ありがとうございます!」
「え?なに!?」
坂谷にとって百合香が満面の笑顔を自分に向けてお礼を言っているなんて嬉しいけど訳がわからない。
「蒔絵のことですよ。お客様に電話もしてくれたって柳瀬さんから聞きました」
「あ?あー…うん。だって、ほら、オレも知ってる客注だったし!」
大したことをした訳でもないのに、そんなに澄んだ目で真っ直ぐ見られてお礼を言われたらなんだかくすぐったい。
坂谷は照れていた。
「本当に嬉しかったし、助かりました!」
「え?解決したの?」
「はい!柳瀬さんが」
「そう。やっぱり…」
あの喫煙室で、柳瀬が言っていた。
『アテがある』と。
坂谷の中で柳瀬にはやっぱり敵わない、欠点のひとつでもあればそこを攻めて行くのに、と心の中で溜め息をついていた。