強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「んー、なんだかやっぱりどれがいいのかわからなくなってきちゃうわねぇ」
「無理して今決めなくてもいいと思いますよ!実は私も最近万年筆を手にしているんですけど、だいぶ悩んじゃいました」
「あら、そうなの?もしかしてその胸に刺さっているものかしら?」
百合香はその万年筆をそっとポケットから引き抜くと大事に掌に乗せて女性に見せた。
「本当はお貸し出来たらいいのですが…すみませんが特別な“一本”でして。この万年筆はお貸しできないのです…」
本当に申し訳なさそうに百合香が言うのを見て女性も恐縮して手を振った。
「いえいえ、そんな。知ってますから。万年筆を人様に貸してしまうとその方の癖がなくなってしまいますからね」
「ご存知なんですね」
「…昔そう言って父にあの万年筆を貰ったものですから」
和気あいあいと話を弾ませている2人を、百合香を、美雪は目線を離せなくなっていた。
「無理して今決めなくてもいいと思いますよ!実は私も最近万年筆を手にしているんですけど、だいぶ悩んじゃいました」
「あら、そうなの?もしかしてその胸に刺さっているものかしら?」
百合香はその万年筆をそっとポケットから引き抜くと大事に掌に乗せて女性に見せた。
「本当はお貸し出来たらいいのですが…すみませんが特別な“一本”でして。この万年筆はお貸しできないのです…」
本当に申し訳なさそうに百合香が言うのを見て女性も恐縮して手を振った。
「いえいえ、そんな。知ってますから。万年筆を人様に貸してしまうとその方の癖がなくなってしまいますからね」
「ご存知なんですね」
「…昔そう言って父にあの万年筆を貰ったものですから」
和気あいあいと話を弾ませている2人を、百合香を、美雪は目線を離せなくなっていた。