強引な次期社長の熱烈プロポーズ
それからその女性のお客様は結局この日、新しい万年筆を購入することはなかったけれど、眠っていた万年筆が再び目を覚まし、今度はブルーのインクで共に生活出来るようになったことを喜んで帰って行った。
「お疲れ」
「柳瀬さん!」
百合香がずっとずっと振り返りながら会釈をして帰って行った女性の姿があった方を見ていると後ろから声を掛けられて慌てて振り向いた。
「随分、好かれたものだな」
「そうですか?」
「あのお客様はきっと買い物は二の次で百合香と話したいんだよ」
「それはそれで嬉しく思います」
満面の笑みを柳瀬に向ける。
「その笑った顔に何人もの人が会いたくなるんだろうな」
柳瀬は最後に聞こえない位の小さな声でそっぽを向いてそう言っていたが、今回は百合香にも聞こえてた。
それは、とても嬉しい言葉だった。
何より上司・副店長であり、最愛の恋人の口から聞くことが。
「お疲れ」
「柳瀬さん!」
百合香がずっとずっと振り返りながら会釈をして帰って行った女性の姿があった方を見ていると後ろから声を掛けられて慌てて振り向いた。
「随分、好かれたものだな」
「そうですか?」
「あのお客様はきっと買い物は二の次で百合香と話したいんだよ」
「それはそれで嬉しく思います」
満面の笑みを柳瀬に向ける。
「その笑った顔に何人もの人が会いたくなるんだろうな」
柳瀬は最後に聞こえない位の小さな声でそっぽを向いてそう言っていたが、今回は百合香にも聞こえてた。
それは、とても嬉しい言葉だった。
何より上司・副店長であり、最愛の恋人の口から聞くことが。