強引な次期社長の熱烈プロポーズ
＊

待ち合わせをしていた店先でオーシャンの２人が待っていた。

「お待たせしましてすみません、さあ中へ」

店長がそう言って美雪ともう一人の男を接待し始めた。
その男とは笹森だった。
軽く挨拶して、『笹森です』とだけ言って先に店長と歩き進めていた。


「彼は、元工場の人で、この前の出張も同行して貰ったんだ」


何気なく百合香にそうやって説明をしてあげる柳瀬。
そんな柳瀬をなんだか今は上司と部下なのか、彼氏と彼女なのか百合香はわからなくなってしまう。


広い個室に案内されて全員が席に着くと、隣に座ってた坂谷がビールを注文した。

百合香は坂谷と長谷川の隣で、当然柳瀬は上座の方のオーシャンの2人と店長、江川とかたまっていた。

要するに、百合香は坂谷と近くて、柳瀬は美雪と近い。それが気になってしまうのだけど、唯一綾が中間にいてくれるから、なんとなく安心できた。


ビールが全員の手に行きわたり、店長が何か色々話をしていたけど皆待ちきれないって雰囲気を出して店長が空気を読み取って早々に乾杯した。

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