強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「お疲れ」
「！？」

今しがた美雪との話を終えて脱力しかけていたところにまた声が掛かってびっくりしてしまう。


「・・・そんなに驚かなくてもいいだろう」
「あ、すみません・・・」


小さくなって謝ると、柳瀬はまた溜め息混じりに笑うだけだった。
そんなときに２回目のエレベーターが到着した。


「休憩に入りますね」
「ああ。あと今夜江川の家だから」
「あ、はい。覚えてます。」
「そう。じゃ、ゆっくり休んで」


エレベーターに乗り込み向かい合って話を丁度し終えた時に扉がゆっくりと閉まりかけた。


ガっ


「？？！」

いつかの日のように、柳瀬が手で扉を止めて一歩百合香に近づく。