強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「ちょ！なんでそっち側にいるんですか」
『今日は月１の定休日だから、休みが絶対一緒だと思って』
「は？どういう…」
『柳瀬くんを知るのにいい機会でしょ♪』


百合香は呆気にとられて開いた口が塞がらないとはこういうことかと実感した。同時に綾からの電話が切られると、目の前の柳瀬との時間に再び緊張してきた。

一通り状況を見ていた柳瀬が、水を持ってきた店員を百合香の後ろに見つけて、

「とりあえず座ったら」

と促され、百合香は言うとおりにした。


「ご注文お決まりになりましたらお呼び下さい」


するとすぐに柳瀬と百合香の二人の空間にされてしまった。


「あ…柳瀬さんも、桜井さんに…？」
「滅多にないから何かあるとは思ってたけど」


そう言って柳瀬がコーヒーカップを口につける様はとても絵になると思いながら百合香は見惚れていた。

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