強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「あれ?でもどうしてサイズがぴったりと…」


百合香は普段から指輪やネックレスなんかはしていない。
まして直接聞かれた覚えも当然ない。


すると柳瀬は伏し目がちにメニューを見ながら言った。


「君の手をどれだけ見てると思ってるの。あれだけペンを持つ仕事をしているんだから」


いつも、見ていてくれてるんだ。
部下の時も、こうして一人の女になっているときも。


「まぁ、後は手に触れた時の記憶、かな」
「触れっ…!?」


わざと理由をもうひとつ付け足すと、メニュー越しに百合香の反応を柳瀬は楽しんでいるようだった。


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