強引な次期社長の熱烈プロポーズ
4.オフィス·プロポーズ
【 同封書類3枚を明日まで提出すること 】
久しぶりに見ても、すぐにわかる。
真っ直ぐ綺麗な文字とこのインクの濃淡。
こんな一文のメモだけで、未だにドキドキさせられる。
「なんで…こんなに早く…」
「前の店長が俺を推してくれてね」
「え?だったらなんで去年すぐにそうならなかったんですか…?」
「前回は事情があったから」
毎日一緒にいる人なのに、目の前の柳瀬は“店長”で、別人のように感じてしまう。
それがさらに百合香の心を掻きまわす。
まるで今、恋が始まったかのようなときめきがまた胸を駆け巡る。
だからかもしれない。
動揺し過ぎて、この時にメモの内容まで頭が回らなかったのは――