強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「朝礼だ」
2人を見下ろして一言そう告げたのは柳瀬だった。
「ちぇ。柳瀬さん、昨日ちゃんと神野さん送ってった?」
「も、勿論です!!」
そういって2人は柳瀬の背中を追うようにして朝礼場所へと向かった。
朝礼は1、2階合同で行われる。
週毎に朝礼場所は交代することになっていて、今週は2階。
その時前に出て取り進めるのは副店長である柳瀬の仕事だった。
大勢の社員の前で挨拶をする柳瀬の胸ポケットにはドイツ製の万年筆。
(きっと今朝のメモもあれで書いたんだ…)
そんなことを思いながら見つめていると後ろから指でつつかれた。
「なに見つめちゃってるの」
「…桜井さん!!」
冷やかすようにそう言ってきたのは1階にいる桜井綾《さくらいあや》。
百合香の先輩で、歳は28だが短大卒のため柳瀬の同期でもある。
彼女は万年筆カウンター2年、事務用品カウンター6年目で直接百合香との接点はないのだが、休憩中に意気投合し、親しくなった。
「昨日万年筆は打ち上げだったんでしょ?なんかあったのかなーって」
「もう、そんなのないですよ!やめてください!」
小声で話をしていたが、柳瀬には気付かれているようで百合香と綾は柳瀬の視線で委縮し、肩を竦める。
2人を見下ろして一言そう告げたのは柳瀬だった。
「ちぇ。柳瀬さん、昨日ちゃんと神野さん送ってった?」
「も、勿論です!!」
そういって2人は柳瀬の背中を追うようにして朝礼場所へと向かった。
朝礼は1、2階合同で行われる。
週毎に朝礼場所は交代することになっていて、今週は2階。
その時前に出て取り進めるのは副店長である柳瀬の仕事だった。
大勢の社員の前で挨拶をする柳瀬の胸ポケットにはドイツ製の万年筆。
(きっと今朝のメモもあれで書いたんだ…)
そんなことを思いながら見つめていると後ろから指でつつかれた。
「なに見つめちゃってるの」
「…桜井さん!!」
冷やかすようにそう言ってきたのは1階にいる桜井綾《さくらいあや》。
百合香の先輩で、歳は28だが短大卒のため柳瀬の同期でもある。
彼女は万年筆カウンター2年、事務用品カウンター6年目で直接百合香との接点はないのだが、休憩中に意気投合し、親しくなった。
「昨日万年筆は打ち上げだったんでしょ?なんかあったのかなーって」
「もう、そんなのないですよ!やめてください!」
小声で話をしていたが、柳瀬には気付かれているようで百合香と綾は柳瀬の視線で委縮し、肩を竦める。