強引な次期社長の熱烈プロポーズ
百合香は観念して弟·椿に祝福されていない話をしてしまった。
それは百合香にとって勿論ショックなことだったが、智の立場になってみたらそれ以上の衝撃とプレッシャーだ。


「あの、気にしないで下さいね」
「随分と嫌われたものだ。そしてだいぶ“姉”に執着があるようだ」


百合香の心配はよそに智は冷静に話を受け入れて、優しく笑って百合香の頭を撫でてそう言った。


「大事っていうか··お節介ていうか」
「···いや、余程大切なんだな」


こんな風に椿を受け止めてもらえるなんて想像してなかったから――

ある時には物凄い嫉妬心丸出しで、子供のように私を求めてくれるのに、普段はいつでも広い心で、深い愛情で、私を安心させてくれる。

ねぇ、椿?

こんな素敵な旦那さんは他に絶対いないよ。


「百合香」
「え?あ、はい?!」
「椿くんには悪いけど、これからは俺が百合香の一番だ――」



―――本当の智さんはやっぱり独占欲強いけどね



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